第2章 ♢キスしてください【影山飛雄】
でもやっぱ迷惑になるのだけはどうしても避けたい。
だってあんなにバレー頑張ってるのに、私のために時間を割いてほしいなんて言えるわけがない。
「…あー、でも話したいなぁ」
部屋の壁にもたれかかって、開いてない窓を見つめる。
我慢しよう、別に永遠に会えないわけじゃない……
…っていうかなんかうるさい。
階段を勢いよく登ってくる音がする。
だれ?お母さん??
いや、お母さんこんな機敏じゃないわ。
「うっす、シホ」
「うわぁぁぁぁ!!なに!なんなの!!」
自分でツッコミをいれていたら、思いっきりノック無しでドアが開いた。
振り返れば会いたかった張本人。
目があってドキッと胸が高鳴る。
「えっ、飛雄??なんで、え??」
「なんでって…、お前に会いたいから来た」
…やばい。
無自覚だけど、そんなこと言われるとドキドキしてしまう。