第13章 ♢純情すぎた。【黄金川貫至】
至れり尽くせりとはこのことだろうか。
お弁当持ってるのに走っちまった!!と慌てる彼はとても面白くて、でも私のためにここまでしてくれるお人好しな黄金がとてもカッコよく見えた。
「俺、男だから分かんないけど痛いんだもんな、」
シュンと口をすぼめる。
今時の男子は、俺今日生理だわーなんてネタにする奴もいるのに黄金はなんでこんなに違うのだろう。
「…ありがとう、黄金。すっごい嬉しい」
「良かった!!」
ニコニコと嬉しそうな黄金の顔を見るとなんだかこちらも嬉しくなって、痛みを忘れて思わず笑みが溢れる。
そんなことをしていると、授業が始まる五分前のチャイムが鳴った。お!俺もう行かないと!と勢いよく立ち上がる黄金の腕を思わず掴んだ。
「ほ、本当にありがとう…、運んでもらったり、とか薬とか、」
運んでもらったことを口に出すと、その時のことを思い出してしまいブワッと顔に熱が篭る。恥ずかしいかったんだ、本当に。