第13章 ♢純情すぎた。【黄金川貫至】
いい子すぎる黄金の反応に少し笑みが溢れる。
でも黄金は私の席の近くにしゃがんだまま心配そうに私の顔を見ている。
彼はとてつもなくいい子だ。
「…保健室行かなくていいのか?」
「…んー、行きたいけど痛くて動きたくないからさぁ、」
落ち着くまでこのままで大丈夫、と言うと黄金はまたオロオロしだす。そこまで心配してくれるとなんだか申し訳ない気もするけど、少しだけ可愛いと思ってしまう。
すると黄金は何か閃いたように目を開いた。
ん?今前髪動いた?なんかピコンってなったように見えたのは気のせい???
「ちょっと待ってろ〜!」
黄金は立ち上がりどこかへ行ったと思うとすぐこちらへ戻ってきた。そして私の肩に何かをかけた。
黄金のジャージだ。
「袖通せるか?俺やる??」
「え、いいの?」
「おう!俺こんなことしか出来ないけど、」
そう言われお礼を言い、袖を通す。
私には大きすぎるジャージは、着てみると袖がだいぶ余った。