第13章 ♢純情すぎた。【黄金川貫至】
黄金の声は想像していたよりも大きくて、視線がこちらに集まるのが分かる。
男子ばっかりの学校。軽々しく生理だなんて言えないからこそ視線が集まるのはとても困るのだ。なんだったら話しかけられるのも出来るだけ避けたいところ。
「こ、黄金、耳貸して」
「ん?耳??」
黄金はキョトンとした顔をして首を傾げた後、すぐしゃがみ込み私の顔の高さまで下がって耳を私に向けた。
黄金ならいっか、なんて思ったから。
「あのね、生理だから気にしないで、」
「えっ、」
あまり男子に言いたくはないけど、騒がれるよりはマシだ。
なにより黄金に悪気がないことは十分承知である。
反応がない黄金の顔を見ると、真っ赤な顔して口をパクパクさせていた。おっと、男子高校生の反応にしてはウブすぎるのでは?
「ご、ごめん…っ!!なんも知らなくて騒いじゃって…っ!」
「あ、大丈夫。寝てれば治るから。…ありがとね」