第13章 ♢純情すぎた。【黄金川貫至】
保健室って薬ないんだよね、生徒にあげちゃいけないとかいう決まりがあった気がする。
時刻はお昼前。
夏場の生理痛はお腹が冷えないだろうとか思う人もいるけどその逆。汗をかいた肌に冷房があたり体が冷えやすい。
私は絶望し、机に顔を乗せ手は腹に乗せ精一杯温めた。
しんどい以上に言える言葉はない。
「ん???どうしたんだ?前田」
耳が下になる状態で机に突っ伏していた私の顔を覗き込んできたのは、同じクラスのでかい男。黄金川。
バレー部に入っているらしい彼の身長は私よりアホみたいに高い。
そして壁みたいに威圧感がすごい。
「…黄金だ、お腹痛くて」
「だ、大丈夫なのか!?それ!!!」
「…正直いうと死にたいよね」
気分は最悪。
ズンっと効果音がつきそうな感じの私の雰囲気を見て驚いたのか、黄金はわたわたしだした。
「死にたい!?死ぬな!!!ど、どうすればいい!?」
「えっ、ちょ、待ってストップ、」
わたわたし出すだけならよかったものの、黄金はわりと大きい声で慌て始めた。死にたいなんて言った私の言葉を間に受けすぎているのだ彼は。