第13章 ♢純情すぎた。【黄金川貫至】
生理痛。
もちろんこれに苦しめられることなく平和に過ごす女子も中にはいる。だが、苦しめられる女子もたくさんいるのが現実。
「し、しぬ…」
私は圧倒的後者の苦しめられる人種である。
いつも薬を常備して、生理が始まる週は薬を飲んでお腹もあっためて万全な状態を保つことによってなんとか1日を過ごすのに。
なんでよりにもよって薬を買い忘れた時に1週間早く来てしまうのだろうか。
先月薬を飲み切り、来月の来そうなタイミングで買えばいいやなんて思っていたら買うのをすっかり忘れてしまった。
学校についてから嫌な予感がし、トイレに駆け込めばこの有様。
ナプキンだけはリュックに運良く入っていたものの、薬がないと生きていけないのだ。
重い腹部への痛みが私を苦しめ、思考をどんどん停止させていく。
しかもここは工業高校。クラスの女の子なんて指で数えられるほど。薬を持っている子がいなかったのだ。