第12章 ♢ストレートと不器用。【白布賢二郎】
「…ねえ、シホ知ってる?あの男の子」
「ん?誰?」
「知らない?バレー部の白布くん。めっちゃイケメンじゃない?」
「あ、確かにカッコいい…あれ、でもどこかで…」
一年生の頃、クラスの友達に教えてもらったバレー部の白布くん。
綺麗なベージュ色の髪に容姿端麗な見た目。
でもどこかで会ったことがあるような…。
「あ、入試の会場で会った気がする」
ふと思い出したのは高校入試のあの時。
白鳥沢は中高一貫校なので外部の受験生はそこまで多くない。
私もその一人である。
そう、確かあの男の子、同じ会場にいた。
「え、人違いじゃない?だってここのバレー部強豪だよ?スポーツ推薦で来る人ばっかりだし」
言われてみれば確かにその通りだ。でも、会場で見かけたのはたしかにあの男の子で。
「…でも、もしそうならバレーがしたくて白鳥沢に入ったんだね。すごい、努力家だ」
「あんたも一般だしすごいじゃん。なんで白鳥沢?」
「え、校舎綺麗だったから…」
「あー、そう」