第12章 ♢ストレートと不器用。【白布賢二郎】
「よく今日からバレー部休みって知ってたな」
「ん?ああ、五色くんに聞いた!」
その瞬間またイラッとした。
前言撤回。全然俺の心晴れてない。
「あーそう」
「そ!んじゃあ、放課後ね〜」
そう言ってあっさりと離れていく彼女。
教えるの俺じゃなくてもいいんじゃないかとも思ったがそれもそれでイライラする。
部活、休みでよかった。
こんな精神状態じゃ、牛島さんにいいボールあげられる気がしないし、なにより集中出来ない。
こんなこと滅多にないのに、昨日からどうしてしまったんだろうか。考えるのも面倒なので、全ては五色のせいだと思い込むことにした。
…それか、前田のせいか。
考えるのも馬鹿らしくなり、またふと窓の外に目をやる。1週間もすればすぐ部活は始まり、いつも通りの生活が始まる。
早く、いつも通りになってほしい。