第11章 *アルコールと冬【北信介】
そういえばここは、北さんのベッド…。
北さんは昨日と同じように私の上に跨ると、優しくキスをした。
北さんはいつも優しい。ずっと優しい。
昨日だってあれだけ酔っていて、深いキスだってしてきたけどずっと優しかった。
ずっと、スローモーションみたいな時間が流れてた。
「ふ、なんやそんなかわええ顔して。昨日もそんな顔しとったんか?覚えてないのが残念やわ」
「し、してないです…」
「ほんまに?」
北さんは少女漫画に出たくるような強引な男の人じゃなくて、甘い、大人な男の人。
おかんですか?みたいな時もあるけど、しっかりしていていつもカッコいい。
「んぅ、っ」
「服、脱がすで」
「…っ、めっちゃ寝起きでブスなのに…。しかも朝だから外めっちゃ明るいし…」
「シホのことがよく見えてええやん」
「…っ、本当にもう、」
上に着ていた服を脱がされ、そのまま北さんの手が触れる。思わず反応してしまう私を見て、北さんは1度キョトンとしたが、その反応が気に入ったのか少しだけ口角を上げた。