第11章 *アルコールと冬【北信介】
「シてはないです…でもこれは北さんがつけました」
首元のキスマーク。
北さんが絶対しないであろうことのうちの一つだとも思う。
「すまん、酔い潰れるつもりはなかったんやけど間違って角名の酒飲んでしもうて…」
どうやら度数の強いお酒を角名が飲んでいて、それを間違えて呑んでしまったのだけど全然気付かず飲み干してしまったらしい。
「大丈夫ですよ!!なんか、強引な北さん新鮮でカッコ良かったです…!」
そう言うと、北さんはキョトンとした。
私的にはフォローをしたつもりだったのだが、どうやらちょっと違ったようで。
「ほんなら、我慢せんと触るべきやったなあ」
ふう、とため息をつき寝ている私の髪を撫でた。
「ほんまは責任が取れるまで、触らんでおこうと思ったんやけど、強引なとこがカッコいいとか言われるとなあ」
「えっと、その…北さん…?」
「朝飯は後回しやな、残念やけど」
ふふふと笑う北さんはだいぶ意地悪な顔をしていた。