第11章 *アルコールと冬【北信介】
「おはよう、シホ」
「…んん、おはようございます…あれ、もう朝…」
ふと目を開けるといつも通り朝ごはんを作って待っててくれた北さんの姿が。
朝ごはんのいい匂いに毎回釣られ、目をこする。
いつも通り幸せな朝…
「…って、北さん顔怖いです!!!なんで!!!!」
よくよく見れば、ベッドの横で私の顔をじっと見ている北さんのドアップの顔が。いつもだいったい表情を崩すことなく飄々としているのに今日は私でも分かるほど怖い顔をしている。
「俺は昨日、お前になにかしたんやろか」
「あ、えーっとー、」
これは覚えてないやつだ。飲み潰れると記憶飛んじゃうタイプの人だ。
そうなるとどこまで話せばいいのか分からなくなってくる。でも別にシたわけでもないし隠すこともないんだけど…
「服の乱れ方からして、シてはないと思うんやけど、その首の跡は俺がつけたものやろか」
そう言ってスッと私の首に手を伸ばした。