第11章 *アルコールと冬【北信介】
「〜っ?!」
私が慌てている間に北さんは私の首にキスをした。長い、長いキス。違う、これキスじゃなくて…
そう思った瞬間、ズンッといきなり重みが私の上に乗っかった。
「…スー、」
どうやら北さんが寝落ちたらしい。
「ま、まじか…」
なんかこのまま襲われてしまうんじゃないかと内心ヒヤヒヤドキドキしたが、そうではなかったので安心したような残念なような。
北さんはそのまま私の上からごろんと落ち、私の横に来た。スヤスヤと眠る北さんの頬を触り髪を撫でた。
強引な北さんも悪くないなあ、なんて。
きっと明日は今日のことなんて忘れて、けろっとしてるんだろうなあ、なんて思うと少し笑えてくる。
珍しく明日は二人とも休み。本当はどこか出掛けに行こうかなあなんて思っていたけど、そのままゴロゴロしててもいいかなあ、なんて。
北さんはきっとお掃除して、何かしてるんだろうけど、それもいつものことだし。
「おやすみなさい、北さん…」
と呟き、北さんの腕に抱きつきそのまま私も意識を手放した。