第11章 *アルコールと冬【北信介】
北さんはあまりお酒を呑まない。
酔い潰れて帰ってくることなんて、まず無い。強いわけではないのだろうけど、ちゃんと自分の限界を知っているのだろう。
だからこそバレー部のメンツと呑んでるっていることもあるし、特に心配していなかったのだけど。
「すまん、シホ、北さん潰してもうた」
「なんでやねん!!!!!」
インターフォンが鳴ったので外に出ると、治とアランさんに担がれた北さんがいた。アランさんを見たからっていうのもあるけど盛大に突っ込んでしまった。わたしは関西人ではないのに。
「うそでしょ!?北さんって潰れるの!?」
「俺らもびっくりしてんねん!」
侑が後ろから謝っている。顔を真っ赤にした北さんは意識が朦朧としているようで、見たことない人のようだった。
「侑、今日は休みだったの?」
「せや、だから俺の休みに合わせてもらて呑んだんやけどなあ」
「すまんなあ、シホちゃん。北のことよろしく頼むわ」
「あ、はあ…」
アランさんにそう言われ、北さんを私に預けるとみんなは邪魔になるからとさっさと帰っていった。