第1章 *とっくに普通以上だったよ【国見英】
「ばか…っ!なに言って…!」
ずっと、ってまた言われた。
いつからだろう。
いつから私のこと、そんな目で見てたんだろ。
「国見くん、いつも超無気力なのに、
今日、全然違う…っ」
いつもやる気なさそうなのに、こんなに表情変えないのに。
いつも大人びてるのに。
「…前田には意地悪したいし、
ずっとキスとかしたかったし、触りたいと思ってたし
どうやって前田を俺のこと好きにさせようか考えてたよ」
「なぁ…っ!」
いきなりのカミングアウトに、反応しきれない私。
「でも、前田、もう俺のこと好きでしょ」
「………っ!!!」
こんな国見くん知らない。
こんな男子な国見くん知らない。
もう俺のこと好きでしょ?
なんてこと言うのキミは。
「好きだよ……」
………ずるいよ、国見くん。