第8章 ☆遠くて、遠い。【西谷夕】休止してます、、、
大きなその丸い目で私のことを見つめる。
逸らせなくなるんだ、その目で見つめられると。
…羨ましいくらいの、あなたの真っ直ぐな目が私を捉えて離さない。
「よし、話なら聞くぜ!!」
どかっと私の隣に座り込む彼。
私の表情で何かを察したのか、まるで私が彼に相談をするような雰囲気。
…何を話す、私。
でもそんなことを考える以上に、なぜか私は緊張してしまって言葉が口から出てこない。
つっかえて、言葉にならない。
「…っ、」
それでも彼に聞いてみたいと思った。
私と彼の違いを。
「…私、中学の時リベロだったんだ」
「おおお!?そうなのか!!!同じだな!」
ニカッと笑うその笑顔。
ドキッとするのに、その言葉が心に刺さる。
「…同じじゃないよ、
私はそんなに真っ直ぐバレー出来なかったもの」
あなたみたいに真っ直ぐ、バレーに全力なんてなかられなかったもの。
いつもベスト16とかベスト8で終わっちゃうような学校で、弱くはなかったけど、いわゆる強豪校には微塵も叶わなかった。