第8章 ☆遠くて、遠い。【西谷夕】休止してます、、、
始まり出したバーベキューのテンションについていけず、
なんとなく座っていると黒尾さんがお肉を持ってきてくれた。
「お疲れかー?マネージャー」
いつものようなニヒルな笑みを浮かべ、私の頭をポンっと叩いて黒尾さんはどこかへ行った。
私を気にしてくれたんだよね、きっと。
よく気がつくなぁ、あの人は。
「…おいし、」
「お!こんなところにいた!!」
その声にパッと反応して見上げた。
お肉を口に頬張った直後、ぴょこんと私の視界に現れた西谷くん。ビックリしてお肉が喉に詰まりそう…っ。
「に、西谷くん…」
「んー?元気かー??
お前全然食ってないじゃないかよ!!これやる!!」
そう言って目の前に出された大量のお肉。
なんでこんな持ってきてるんだ、この人は。
でもあまりのことで笑ってしまう。
「すごい量…」
「おっ、笑った。
お前合宿中全然笑ってなかったから、体調悪いのかと思っててよ」
「…っ、いや、そんなことないよ…」
見られてた。
少しだけバレてた。会ってないのに。
別に面識なんてあの日のあれだけなのに。