第8章 ☆遠くて、遠い。【西谷夕】休止してます、、、
「…連絡してみたの?」
「っ!…なんだ、研磨か…びっくりさせないでよ」
合宿所にもどって1人、彼の連絡先とにらめっこしていたら後ろから研磨がヒョイと私のスマホを覗く。
なんて送ればいいか分からないままこの状態だなんて、なんだからしくない、気がする。
そもそもこんなことしたことないから分かんないけど…。
「…なんて、送ればいいかな」
「そんなの俺に言われても分からないよ…」
研磨に聞いた私が馬鹿だった。
そうだ、自分で考えるしかない。そう分かってるんだけど。
緊張してどんな文章を書いてみてもおかしいと感じてしまう。
「今日は連絡先くれてありがとう、また会えたら…ってこの後なんて打てばいいの…」
「また試合で会いましょうねってか?それじゃあ会話続かねーぞ??あと、タメだろ?あのリベロ。
なんで敬語使ってるのかなー、シホちゃんは」
耳元で黒尾さんの低い声。
こうやってちょいちょい現れる先輩。なんていうかからかうのが好きなんだろうな、この人。
でもそんなこと言ってられない。