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夏の風
第7章 嘘つきな君の心
「どこに行くん……?」
車の助手席から
流れる景色をぼんやりと見つめながら
そう聞いた俺に
「着くまでは秘密や……」
前を向いたまま
村上くんはそっけなくそう答える…
窓ガラス越しに
見える街を歩く家族や恋人は
みんな楽しそうに笑ってて
この人たちは
今そこにある幸せが
当たり前なんやって
思ってて
いつか突然無くなってしまう
なんて思ってもないんやろうなぁ…
そんなことを考えながら
今の自分にはまぶしすぎる
そんな笑顔を見ていたくなくて
目をつぶった…
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