第7章 嘘つきな君の心
泣きつかれて
いつの間にかソファーで眠りに落ちた
俺が目を覚ました時には
もう11時を回っていて
ゆっくりとソファーから
体を起こした俺に
「よう寝たなぁ(笑)」
なんて村上くんは笑いながら
手招きして
ふらふらと立ち上がり
呼ばれるがままに村上くんに近付くと
テーブルの上には
温かいご飯や湯気の上がるお味噌汁が
用意されていて
椅子に座った俺に
笑顔で箸を手渡してくる……
人間ていうんは
ひどく滑稽な生き物で
胸が引きちぎられそうに痛くても
どんなに悲しみに心が支配されてても
食べなければ生きてはいけなくて
どんなときでもお腹は空いてしまう……
そんな自分に嫌悪を抱きながらも
目の前のご飯をただ無心に口の中に放り込み
すべてを食べ終わると
それを待っていたかのように
村上くんは椅子から立ち上がり
「食い終わったんやったら
今から一緒に出掛けるぞ…?」
そう言って
食べ終わった食器を
手早く片付け始めた…