第7章 嘘つきな君の心
ガチャン…
そんな静な音をたて
開いた扉の中には
「お前……びしょ濡れやないか……
はよ中入れ…」
そう言って
俺がここに来ることが
解っていたかのように
落ち着いた様子で
俺を家の中に招き入れてくれる
村上くんがいて
玄関で雨でぐちゃぐちゃに濡れた靴を脱ぐ
俺にふわふわのタオルと
着替えを手渡してくれる…
着替えを終えて
ソファーに座ると
それを待っていたかのように
湯気を立てる温かいコーヒーを
手渡してくれた…
「村上くん…?」
「うん…何や?」
「くるみのこと…
もしかして知ってたん…?」
そんな俺の言葉に
村上くんはまっすぐに俺を見つめて
「知ってたで…?
きりちゃんから電話もらってな…」
なんて悪びれもせずに言い放つ…
そんな村上くんの言葉に
「何で…?
それやったら何で教えてくれんかったん…?
俺だけ何にも知らんくて…
こんなのって無いやろ?
何でこんなひどいことが出来んの!?」
そう言って
溢れてくる涙を隠しもせず
言葉を荒げた俺に
「お前がそうやって取り乱すんが
解ってたから…
言われへんかったやろ…?」
そう言って
小さくため息をついた…