第7章 嘘つきな君の心
くるみがいなくなった
部屋の前で
力が抜けて
ずるずると座り込み
ぼんやりと天井を見つめていると
「大倉くん…?」
そう俺を呼ぶ声と一緒に
肩に温かい手が触れて
ゆっくりと目線を
声のした方に移すと
くるみの大好きやった
みっちゃんがいて
「会いに…来たんでしょ…?」
そう言って
にっこりと微笑む…
ここにもう
くるみがいないことを
知ってるくせに…
それやのに
当たり前のように
俺に笑いかけてくる
みっちゃんに腹がたって
「会いにって誰にですか…?
だってくるみは
ここに居ないじゃないですか…(笑)
どこにも行かへんて…
ずっと側におるって…
そう約束したのに…
いつもいつも笑顔で
俺に嘘をつく…
くるみは嘘つきや…!!」
そう叫んで
肩に触れていたみっちゃんの手を
力任せに振り払うと
「それは違うよ…?」
みっちゃんはそう言って
まっすぐな目で見つめた…