第6章 約束
「ほんまに…
どこにも行かへん…?
俺に黙っていなくならないって
約束出来る…?」
解ってんねん…
こんな言葉でくるみを縛るんは
ずるいって
約束なんて
何の意味もないって
それでも
どうしようもなく不安で
どうしようもなく恐がりな俺は
今この瞬間だけでもええから
不安から解放されたくて
あほやって解ってて
約束なんて言葉に
すがってしまう…
でもそんな俺にくるみは
「約束するよ…?
だっておくらちゃんしつこいんだもん(笑)
私がどんなに必死で
突き放しても逃げ出しても
めげないんだもん…
もう私も疲れちゃったよ…(笑)
だからおくらちゃんも覚悟してよね?
おくらちゃんが私から逃げたくなっても
もう逃がしてあげないから(笑)
ずっとずっと
おくらちゃんの側で
わがままいっぱい言い続けてやるんだ(笑)」
なんてけらけらと
楽しそうに笑うんや…
俺がその言葉に
どれだけ救われたか
知りもしないで
「ありがとう…」
そう呟いた声は
小さく震えてて
必死に涙を堪えてる俺を
「どういたしまして(笑)」
そう言ってくるみはまた
けらけらと楽しそうな
笑い声で包み込んでくれた…