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夏の風

第4章 君は強い!


そうやってやっと少しずつ

前を向いて歩き出そう

そう思えるようになったある日



その日は

安と二人で安の汚い家で

家飲みをしようと言うことになり



酒やつまみを袋いっぱい買い込み

安の家に行った…



まず最初はビールやろ(笑)


なんて豪快にプルトップを開け


"乾杯"


そう言ってビールの缶を持ち上げた瞬間



机の上に置いていた携帯が

ぶるぶると激しく震えだす…



"今かい(笑)"


なんて冗談混じりに

携帯を手に取り着信画面に

目を落とすと


今まで俺がどれだけ連絡をしても

絶対に出てくれなかった



"きりちゃん"


の文字が光ってて…



「もしもし…?」



そう言って携帯を耳に当てると




「大倉くん…お願い…

くるみが…くるみが大変なの…!!」



そんな切羽詰まった

きりちゃんの声が聞こえてきて




身体中から

血の気が引いていくのが

手に取るように解った
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