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夏の風

第2章 君の隣


触れた唇の熱さで

まだ熱があることが

伝わってきて…


ゆっくりと触れていた唇を離して


「まだやっぱり熱があるなぁ…」


そう言って

新しい冷えピタを取りに

立ち上がろうとした瞬間



俺の顔をくるみの小さな手が包み込んで


ちゅっ…と音を立て

もう一度触れるだけのキスをする…




「もう…好きだからとか…聞かない…

聞かないから今だけ私の側にいて…?」



なんてまた

やっと止まったと思えてくる涙を

ポロポロと溢し始めて…



「俺はくるみが…」



そう言いかけたけど

今はただ次々に溢れだす

くるみの涙を止めてあげたくて



何度も何度も

唇に頬に柔らかい肌に

キスを落としていく…



言えなかった言葉は

また明日伝えたらいい…




明日くるみに電話をして

嫌…直接顔を見て


ちゃんと伝えよう



"初めてあの日交差点で出会ってからずっと

くるみだけを好きでした"


と……



そんなことを考えながら


俺とくるみは


微かに村上くんの香りのする

ベッドの中で



お互いにお互いを

求めあった…




少なくても俺はこの時


そう思ってた…
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