• テキストサイズ

夏の風

第2章 君の隣


寝室にくるみを残したまま

キッチンに出てきた俺は

小さなお鍋と米を探しだし

お粥を作り始める…


ぐつぐつと小さな泡を出す鍋に

少しの鶏ガラスープの素と塩少々

言い具合にとろみがついたら卵を回しいれ

上からネギを少々…


梅干しは好きかどうか解らんから

小皿に一つ乗せて

器に乗せれば出来上がり


おくらちゃん流

即席中華がゆやで(ドヤ顔)



そんなことをしてたら

寝室から




「誰…信ちゃん…?」



そんな少し掠れた

くるみの声がして



出来上がったばかりなお粥と薬と水を

お盆に乗せ寝室に入っていくと




「ん…良い匂い…」


なんてくるみは

亀みたいに頭まで被った布団から

顔を覗かせる(笑)




「お粥作ったから食べて?

後食べたらちゃんと薬も飲むんやで(笑)?」



そんな俺の声に

驚いたように布団に潜り込み



「何でおくらちゃんがいるの…(汗)!?」



そんな失礼きわまりない言葉を

投げ掛けてくる…



そんなくるみの態度に


「あ…そう?

ええんやで俺は別に

村上くんに言われたから様子見に来て

お粥作っただけやから…

これ自分で食べて家帰ろっと…」



そう拗ねたように言うと




「だめ!!!

食べちゃだめ…

ありがたくいただきます(笑)」



なんて慌ててくるみは布団から起き上がり

俺に向かって手を差しのべる(笑)




「はいはい…(笑)

ほんならちゃんとベッドの上座って…

熱いから気を付けて食べや…?」



そう言って

くるみの膝にお盆を置き

蓮華を右手に持たせてあげると




「いただきます」



そう律儀に頭を下げ

ゆっくりとお粥を口に運んで行った…
/ 67ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp