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夏の風

第2章 君の隣


村上くんとくるみが付き合い出して

半年が過ぎた頃…



休みの日

突然村上くんから届いたメールに


慌てて財布を握りしめ

部屋を飛び出した…



『大倉…悪いんやけど今日

くるみのこと見といてくれへんかな?

俺が仕事出る前から咳が出てて

あいつは大丈夫やっていうけど…

体がもともと強ないから

たぶんこれから熱が出ると思うねん。

俺が基本風邪とかひかへんから

薬とかもないし…

俺は今日ラジオもあって

夜中まで帰られへんから…』



とりあえず薬を買って

後は飲み物やろ

後は冷えピタとか…?



要りそうなものを

とりあえずかごに詰め込み

レジを通して

タクシーに飛び乗ること10分



村上くんから聞いた暗証番号で

部屋の中に入り


静かすぎる寝室を

ゆっくりと覗き込むと



ベッドの上で小さく丸まり

眉間にシワを寄せ

苦しそうに息を吐き出すくるみの姿が

目に入る…



起こさないように

そっと近付き

おでこに手を当てると



村上くんの言うた通り

熱が出てきているみたいで


触れたおでこから俺の手のひらに

ジンジンと熱が伝わってくる…



「しんどいなら

きりちゃんでも呼べばええのに…

あほやなぁ…」



そんな独り言をぽつりと呟きながら

熱々のおでこに冷えピタを

張り付けてやると…


眉間によってたシワが

心なしか薄れて

吐き出す息さえも

少し楽になったんじゃないかと

思えた…
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