第2章 Jewel
エース達が船に戻った
船は既にざわついていた
「あれはなんだったんだ?」
サッチがエースに訪ねた
エースは怒りに満ちた顔で言った
「ドラゴンだった、それに人間もいた」
「あの人間は多分能力者だよい」
マルコが付け足した
エースはマルコを睨むように見つめた
「何で逃げるんだ!!」
「仕方なかったんだよい!海楼石みてぇな弾丸なんて俺達にとっちゃ命取りになるんだよい!」
エースはこれ以上言い返さなかった
マルコが正しいのは分かっているからだ
けれど、腹の虫は収まらない
「あいつ、あの人間はドラゴンに指示を出してた」
「そうだったよい。それもまた火を吐くドラゴンじゃなくて冷気を吐いていたよい。この寒さの原因は…」
「あのドラゴンだろう」
その会話を聞いていた白ひげが口を開きかけたその時
大きな羽音が船の上を通っているのが分かった
「!!!!」
ほとんどが目を見開いてそれを唖然と見ていた
さっきまでエースとマルコが目にしていたドラゴンが頭上を飛んでいる
「逃げる気だ!」
「いいや、逃がさねぇ!!」
エースがストライカーを引っ張り出して飛び乗った
仲間の静止も聞かずに
「エース」
「オヤジ…」
「無事に戻れよ」
「おう!」
エースはドラゴンを追った
逃げることをバカにされ弱虫扱いをされた屈辱
エースは見逃せなかった
(あの野郎、とっちめてやる!)
感情が高ぶりやすいのはエースとって玉に瑕だろう
《追ッテ来テル》
『知ってるわよ』
《スピード上ゲルカ?》
『このスピードでも追いつけないからいいわ』
そして、栄えた島へ辿り着いたドラゴンと…___
剣を背にした女
___来るならば返り討ちにするのみ