第2章 鎌ノ助の好物
「それは僕がやるから」
「え、でも……」
「あんたはみたらしのタレでも作っててよ」
じゃあお願い、と頼んだなまえだが、これは間接キスである。
勿論、なまえは分かっていなかった。
因みに鎌ノ助は確信犯だ。
みたらしのタレ作りに移行しても、なまえを更なる問題が待ち受けていた。
あのみたらしのタレは、どうやって作るのか、皆目見当もつかない。
甘いから砂糖は使うだろう。
それは確実だろうが、他は一体なんだ。
「うーーん……」
砂糖とにらめっこをして数秒、なまえは閃いた。
正月、祖母の家に行って餅を食べるとき、砂糖に醤油をかけたタレを付けていたではないか。
まさにおばあちゃんの知恵袋である。
早速砂糖に醤油を投入し、混ぜるが、どうもジャリジャリしている。
水分を足せばいいのかと思い、そうしてまた混ぜてみたが、味見をすると、何か違う。
「薄い……?」
味というか、みたらしのタレにはもっととろみがある。
これではとろみが足りない。
「あっ、これはもしかして……!」
なまえは、白い粉を見つけた。
……さて、これからなまえのみたらし団子作りの展開は、どうなっていくのだろうか。
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