第1章 感情のコントロール
「聞いて〜、大学決まったよ〜!」
「よかったじゃん」
「うん。でもさ、一個ミスったことがあるんだよね…」
「なに?」
「経済学部いくんだけど、男の子のほうが多いんだよね…。」
「別にいいんじゃない?男子とのほうが気があうじゃん、あなた」
「そうだけど、恋愛沙汰がね…」
「あー、男子との距離近いからけっこうモテるもんね〜」
「正直、なんで私なのってかんじだけどね〜。
大して、私可愛くもないのに…。
しかも、今までロクな付き合い方してないし…。
付き合うのとか面倒だからやなんだけどな〜。
告白断るのも面倒だし…。
でも、アクティブな引きこもりの私に休日デートとか
無理だし…。
どうしよ…」
「アクティブな引きこもりって(笑)
まあ、普段めっちゃ元気なアクティブ系なのに、
休日は引きこもりだよね、あなた。
しかも、趣味が寝ることって(笑)」
「いいじゃん、寝ること。
外に出るとか面倒だし、日焼けするじゃん。
日光アレルギーあるんだから仕方ないもん」
「面倒なだけでは…?」
「…そんなことないもん」
「その間(笑)
だったら、俺と付き合ってみる?」
「千と?」
「まあ、一応遠距離恋愛だし、カモフラージュってこと
で?あなたの嫌なデートとかもないし?どう?」
「私は、得するけど、千には利益なくない?
仮の彼女ってことでしょ?」
「ああ、俺の大学ってほぼ男子校なんだよね…。
で、彼女いないと合コンとか他の総合大学とあってさ。ぶっちゃけ、面倒なんだよね、あれ。
俺、別に彼女欲しくないし…。
そもそも、オタクだから俺。
そんな暇あったらゲームしたい。
だから、俺にも一応利益はあるわけよ。
あなただったら俺がゲームとかしててもなにも言わないじゃん?」
「まあ、私もゲームするからね。
それだったらいいのかな…。
一応、千にも利益あるし…。
もう少し考えてもいい?
一週間ちょうだい?」
「いいよ」
「ありがと、じゃあね〜」