第9章 真冬の日〈A×S〉
~A.
あの報告会から、一日たった今日。
また、しょーちゃんをご飯に誘った。
目の前のしょーちゃんはもぐもぐと美味しそうに
オムライスを食べている。
食べ終わったのか、しょーちゃんが口を開く
「雅紀ってさ、どんな子がタイプ?」
「んぐっ!?っ、げほ、」
予想してなかった質問に飲んでた水を詰まらせた
「ちょ、大丈夫?、そんな驚く、?」
俺の心情を知らないしょーちゃんはあざとく首を
傾げながら、口元に手を持っていく、
「そー…、だね、可愛くて、美味しそうにご飯食べる子」
全部、目の前のしょーちゃんに当てはまっている
のだけれど、
「雅紀料理できるもんね〜、いいなぁ」
雅紀の彼女。何て、笑う
ここまで言って気づかないとは、しょーちゃん
自分に鈍すぎるよ、
「家庭的だしきっと絶対惚れちゃうよ、雅紀に
好きなんて言われたら、」
「そう、?しょーちゃんが出来なさすぎな気もするけど、」
「えっ、まじで、?」
焦った様な顔も可愛く見えて、俺重症だ…、
何て考える。
「しょーちゃんはいないの?タイプの子とか」
「え、ん〜、俺はねぇ、雅紀みたいによく笑う人がいいなぁ」
ほんっと、!しょーちゃんって人は!
だから先輩後輩関係なく狙われるんだよ…っ!
「ほんと?嬉しいなぁ〜」
内心荒ぶっているのを隠しつつ平然と返す
手をつけていないしょーちゃんのコップの氷が
カラリと音を立てて溶ける。
「雅紀、顔が百面相〜、あ!もしかして、」
思いついた様に、テーブルから身を乗り出して
俺の耳元で声を潜め
「好きな子いるの?」
そう、聞いてきた。
「いやいやいや、いないよ、?」
多分赤いであろう顔を扇ぎながら、
即座に返す
「雅紀なら居そうなのに、何で出来ないんだろ、」
乗り出していた身を、元の位置に戻りながら
考え出すしょーちゃん
「居そうって、いたら問題でしょ、」
「え〜、そう?できそうなのに、」
…じゃなくて、!
しょーちゃんのせいなんだけどなぁ、!
そろそろ気づいてよ、
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