• テキストサイズ

Redline【気象系BL】

第9章 真冬の日〈A×S〉


~S.




夜、遅くに仕事が終わったけど、数時間前
岡田くんに連絡してと、言われたので、電話をいれる。
ビルのエントランス辺りで身を縮めながら待ってると
櫻井。と呼ばれた
「岡田く、寒い…、」
少しの文句も笑って有耶無耶にされ、車内に
引かれる。
「ごめん、寒かったろ、」
車の暖房をいれ、発進させると岡田くんが呟いた
「もう少しで感覚なくなるとこだった…、」
「ははは!それは危ねぇ」
他愛もない話で盛り上がった所で、車が止まった。
着いたよ。と車を降りる岡田くんに続き、降りると
どこか、見覚えがあるお店だった。

「ぁ、…雅紀ときたとこ…、」
メニューを見たところで思い出し、小さく呟く。
「櫻井、きまった?」
「あ、ん〜、パスタで、」
咄嗟に、あの時と同じものを頼んでしまった。
「ごめんな、急に誘って」
「いやいや、大丈夫ですよ、」
頼んだ料理が来る間、置かれた水を飲みつつ
話は盛り上がった。
「でも何で、いきなり、?」
疑問に思っていた事を聞けば
「そこに櫻井がいたから、?」
「えぇ、それ理由になってない、」
「まぁ、櫻井だから、誘った。のが正しいな」
しっかりと、俺の目を見つめて、真剣に言う岡田くん
何か、デジャヴ、?
丁度運ばれた料理に、手をつけながら、
悶々と考える。

「岡田くんも、こんないいお店知ってたんですね、
他に誘う人、いるでしょ、?」
パスタを口に運びながら、遠慮がちに聞けば
たちまち岡田くんは笑いだした。
「え、え…?そんな変な事きいた、?」
「ふははっ、変ではないよ、まぁね、」
こりゃだめだ、なんて未だに笑ってる岡田くんを
少々睨みながら、残りのパスタを口にいれる。
「櫻井も、侮れねぇな、」
くしゃりと、頭を撫でながら再び車に戻り、
文句も言わず俺の家まで送ってってくれた。
「お金…、ありがとうございました、」
「いやいいよ、楽しかった」
外は相変わらず、寒かった。





.
/ 135ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp