第8章 昼夜〈N×S〉
~S.
収録が終わって、楽屋に戻る途中、後ろからしょーくん
と呼ぶ声が聞こえた
「…、?どうしたの、?智くん」
「しょーくんちょいちょい、おいで」
返事をする前にぐいと手を引かれ、人が少ない
廊下に足をつけた。
「え、なに?…、ちょ、はや…」
俺が問いかけても、笑ってはぐらかされるだけで
ちっとも行く場所に見当がつかない
人が少ない廊下から、さらに人がいない廊下に
ぐんぐん進んでく智くん、
なんか、やばい雰囲気、?
「あの、ね…智く、」
しばらく閉ざしていた口を開いたと同時に、目の前
にあった、扉を智くんがゆっくり開けた。
「ついた〜、ごめんなぁしょーくん、無理やりで」
そう笑いながらはいってはいって、と背中を押す
「えと、ここは、?」
聞けば、智くんはけろっと、
「ん〜?オレの秘密基地みたいなとこ」
なんて言った
「…えっ、いいの?そんなとこ俺に教えて」
「しょーくんだからだよ、知ってるよ…煙草」
「…………、ぇ、」
たじろぐ俺をよそに智くんは
「ここオレの喫煙所、人こねぇし、時間あったらニノと来なよ」
と続ける。
「な、んで…知ってるの、」
「んはは、なめんなよしょーくん、これでもオレ」
リーダーだから。と置いてあったソファにすわる
「それは知ってるけど、!………ん?」
つい先程言った智くんの一言に引っかかった
「智く、今さ…オレの喫煙所って言った?」
「ん〜?言ったよぉ、オレも吸ってるからね〜」
「なっ、え、!?う、うそぉお!!」
大きい声を出したのにハッとし、手で口を塞ぐ
「まじで、?全っ然気づかなかった、」
「オレは隠すの上手いからね〜」
この人、侮れないっ!!
受け取る情報量が多くて未だ困惑してる俺を笑い
ながら智くんは、煙草に火をつけた
「え、え、?いつから、」
「20歳位から」
呑気に煙を吐きながら淡々と答える
「…、和は、?知ってるの?」
「収録前バレた」
なんて人だ、普段とのギャップに困惑…、
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