第1章 呼び方〈O×S〉
~O.
家についてリビングに座った時、しょーくんが
控えめにオレの服の袖を引っ張った。
何この可愛い生き物。
「ごめんな~しょーくん、無視して」
「俺、何かした、?」
眉を八の字に下げ小さく呟いた。
何かした、って、無自覚か~、まぁそこが可愛いん
だけどね。
「名前、呼んで?」
「…?大野さん?」
「いや、違うでしょ? 今二人だよ?」
「ぁ、さ、智君、?」
何で疑問形なのか不思議だけど、可愛いから良し
いつもそう。しょーくんは二人きりの時じゃないと
名前で呼んでくれない。
前に理由を聞いたら恥ずかしいからって言われた。
オレとしては皆が居ても呼んでほしいのにな~。
「楽屋でもそう呼んでよ、」
「ぅえ!?ま、まだ無理!」
「相葉君の事は呼べるのに?」
「う、それは、、!」
しょーくんの痛いとこ突けば、ぱっちり二重の
瞳がうろうろする。
所謂嫉妬てやつだ。メンバーだからそんなに腹は
立たないが。前から凄く気になっていた。
日頃のモヤモヤが今になって表にでた。
「しょーくんはさ、誰のなの?」
どさりと彼をソファに押し倒しながら聞く。
「わ、智君、?あの、」
急な事で驚いたのか目が見開かれた。
「誰のなの?ほら、答えて?」
「さ、智君の、」
ふいと視線を逸らしながら言うしょーくんの頬は
赤に染まっていた。
無防備に晒された首元に指を這わせれば、
ふるりとしょーくんの体が揺れる。
「智君、?」
「んふふ、かわい、食べちゃいたい」
そう言えばしょーくんはもっと赤くなった。
「んッ、可愛くない、!」
指をするする動かしながらだんだん涙目になって
くるしょーくんの顔を上から眺める。
いつ見ても可愛いな~、
「くび、やぁ、くすぐった、」
「んふふ、しょーくん弱いもんね、耳も首も」
耳元でそう言えば、弱くない!と強気な返事が
返ってきた。
「弱くなかったらそんな声でないよ?」
するりと首から耳へと指を動かしながら
しょーくんの頭を反対の手で撫でる
.