第4章 秘密〈N×S〉
~S.
皆知らない。俺が和と付き合ってる事。
別に好きで不良やってる訳じゃない事。
クラスの奴らも、所詮上辺だ。
「和、ごめんね、俺麦茶しか作れない」
和よりはやく起きた為、普段お疲れの和に何か
作ってあげようとしたんだけど、自分の不器用すぎる
不器用を思い出して、一人凹んでたら、
寝室のドアが開いた為、謝る。
「んー、?何が、??」
まだ頭が覚醒してないのか、甘い声で聞き返す。
「俺、和の為にできること少ないや…」
「んは、それ位が翔ちゃんには似合ってるよ」
俺の隣に立って、コーヒーを作りはじめる和
「そっか、頑張って覚えてみるね」
今日は普通に平日だから、学校に行かなきゃいけない。
「ん、ごめんね、先行くわ」
和は教師だから。先に家を出る事になる。
これで鍵しめてと、家の鍵を渡され、頷きながら
走り去る車を見送る。
「はぁ〜、めんどくさぁ、」
家主がいなくなった家で一人ポツリとつぶやき、
ソファに寝転ぶ。
もう今日はいいかなぁ。何か眠いし。
和には悪いけど、サボっちゃえ。
そう思ったら即行動、!学校に電話をかけ、
担任に今日は休む主旨の内容をつたえれば、特に何も
言われず、すんなり了解を得る事ができた。
やった、今日自由じゃん。何て少し浮かれながら
テレビをつける。
「まだ、ニュースしかやってないか、」
朝なので、ニュースしかやっていないが、つけておく。
冷蔵庫から、昨日和が作ってくれたチャーハンを
温めて口に運んでく。
食べ終わる頃にはもう一時間目が始まっている
時間だった。
「なぁんか、暇になったなぁー、」
和がやっていいよって言ってくれたテレビゲーム
を漁り、簡単そうなのをやる。
いい暇つぶしになるじゃん、?
「にしてもいいねぇ〜、こういう日も、」
俺の心は穏やかだったけど、学校にいる、和の
心は穏やかじゃなくなったのは、勿論、知る由もない。
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