第3章 裏の裏〈O×S〉
~O.
メモをもらった数日後、写真をくれるというので
また、いつもの店に行った。
「あ、珍し、遅刻してない」
「あら、今来たとこよ」
なんて得意そうにドヤ顔した彼女。それを適当に
はいはい。すいませんね、と言い、彼女の前に
座る。
「はい、前におすすめした子の写真」
テーブルの上に何枚かの写真を広げる彼女。
「んふふ、やっぱふわふわ系」
ふんわりボブの可愛い系。うん、しょーくんなら
気にいるんじゃないかな?
「他の子もいるけど、どうする?見る?」
「いんや、この子でいいや、」
店員が持ってきてくれた水を飲みながら、
写真を見る。
「後はお前の采配通りに上手くやれよ」
「はいはい勿論。自然にやるわよ」
「バレたら知らねぇかんな」
ふわりと欠伸をしながら相手の目を見据える。
「ふは、智くんって悪い人、」
「んな今更だろ」
そう笑いながら言えば彼女は一言、可哀想と言った。
「誰が、可哀想だって?」
「翔くんよ、智くんの裏の顔に気づいてないし」
「バレないように用心してっからね、」
「逆に、翔くんもバレまいと必死よ」
「んふふ、可愛いよね」
必死に隠してるとことかさ。まぁ、知らないフリ
で、オレは通すけどね。
「じゃ、あの子から連絡きたらまた連絡するわ」
「はいよ、後で会わしてね、」
勿論そのつもり。と彼女は言い、お店を後にした。
さてと、オレも帰りますか、
彼女から貰った新しい子の写真を財布の中に
しまい、しょーくんが居る家へ歩く。
「ふぁ〜、結構もったほうか、」
しょーくんにしては。
今度の新しい子はどんくらいもつかなぁ、
何て、思いながら、夜道を歩いていく。
「ただいま、しょーくん、」
玄関を開ければほら、しょーくんがお出迎え
してくれる。
上機嫌なしょーくんは、どうやら新しい子と
出会った様だ。
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