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Redline【気象系BL】

第3章 裏の裏〈O×S〉


~S.




飽きた。って理由だけで、別れようと告げた俺。
彼女はそれに、泣く訳でもなく、ただ平然と
うん、わかった。とだけ小さく頷いた。

カランカランとお店のベルがなり、彼女が
出ていく。その背中を居なくなるまで見つめて
いると、隣に、ふと気配を感じた。
少しだけ気配の方をみれば、彼女とはまた違う、
ふんわりボブの子が座っていた。
俺が見てる事に気づいたのか、その子は少し
頬を赤らめ、お邪魔、でした?と、問いかけた。
「いや、大丈夫だよ、」
そう言い、ニコリと笑えば、有難うございます、
と、笑い返してくれた、
あ、可愛い。心の中でそう呟いて、今度はこの子に
しようかなと、決めた。

「よかったらさ、一緒に飲まない?」
「え、さっきの、彼女さん、?はいいんですか?」
「うん、振られちゃったの、」
だからさ、君が癒やしてよ。と言えば、さらに
頬を染め、私でよければ、いいですよ。と
再びふわりと可愛い笑みを浮かべた。
ガード硬そうなのに、案外脆いんだね、
「じゃあさ、俺んちきてよ、」
周りに聞こえない様に、小声で、彼女の耳元で
そう言えば、彼女は少し体を揺らし、俺の目を
見ながら

「いいですよ、ホテルじゃ、バレちゃいますし、」
そう、持っていたコーヒーのカップをきゅっ、と
握りしめた。
智くんと住んでる家とはまた別の家へ向かう。
道中、そわそわしてる彼女の左手に、俺の右手を
合わせ、握りしめる。
「悪い人、ですね。櫻井さんは」
「ふは、今更だよ」

まだ日暮れ時じゃない世界。
俺は、また、快楽に酔っていく。
下にいる彼女は、前の彼女より華奢で、色白で
儚さをまとっていた。夕時。
「また、会ってもいい?これ、俺の番号」
「んふふ、いいですよ、いつでも会いにきて、」
彼女の番号を携帯に登録し、家へ帰る。


「おかえり、智くん」
俺はまた、智くんに言えない罪を重ねる。
智くんは知らない。こんな俺を。


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