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Redline【気象系BL】

第13章 シュレーディンガーの猫〈O×S〉


~O.




例えば一つの箱があるとして、その中でしか生活
出来ないと言われた時、その箱の中に何も無かったら
退屈で仕方ないだろう。
その箱から出たくなるだろう。誰であっても。
だがしかし、その箱の中に退屈しのぎができる物
があったとしたら、人は箱の外に出たいと思わないだろう。
何が言いたいかって?
オレの手元にしょーくんをおいておきたいって事。
離れていかない様に、"退屈しのぎ"として
女を使っているだけだ。
「…ただいま、」
日の出があがり始めた朝方。小声で部屋に入って
くるしょーくん。

「おかえり、しょーくん」
飲んでた缶ビールをテーブルに置いて、立ち上がる
「お、起きてたの?智くん」
しょーくんから匂うきつい香水に、ニヤけながら
「眠くなかったからね、」
何て、抱き寄せる
抱き締めれば更に匂いがきつくなる。
あ〜、くっさ…、この香水やめてもらお。
「今日も仕事あるんだよ、?大丈夫?」
「ん〜、大丈夫かも、寝かけたら起こしてよ」
「ん、いいよ」
嬉しそうにはにかんだしょーくん。うん、可愛い

「ご飯用意するから、風呂入っといで」
そんで早く、香水の匂い落としな。そう心で呟く
「うん、わかった、ありがと…智くん」
脱衣所に入ったのを確認し、キッチンへ向かいながら
文字を打ち込む。
トーストを焼きながら、相手から返ってきたメッセージ
に目を通し、携帯をテーブルに伏せておく
しばらくすれば、しょーくんがでてきて当たり前の
様にいすへ座る。
「今日はシュガートーストだよ、」
「いつもありがと、俺ができればよかったのに…、」
「いいの、だからそんな顔すんなよ、」
「智く、…」
「オレがやりたくてやってんだから、」

ちらりとコーヒーを飲みながら美味しそうにパンを
食べるしょーくんをみる。
縛りたくないけど、縛りたい。
物理ではやらないけど、縛りたい。
だって離したくないから。やっと手に入れたから。
「しょーくん、好きだよ」
この言葉がきっと、しょーくんに繋がる首輪だ。
オレにしか見えない、青い首輪。






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