• テキストサイズ

Redline【気象系BL】

第13章 シュレーディンガーの猫〈O×S〉


~S.




やめたいけど、やめられない。
罪悪感は無くても、心の奥底にある。


用事があると、家には帰って来ていない智くん
一体何の用事なのか、俺は知らない。
いや、知ろうともしていないのかもしれない。
「ぁ、もうすぐ帰ってくるのか、」
ピコンと光ったメッセージに目を通せば智くんからで
もうすぐ帰ってくる旨のメッセージだった
飲んでいたビールの空き缶を片付けながら、
智くんが帰ってくるのを待つ
時計を見ればすでに日付はこえている
そこから数分すれば、ガチャリと玄関があく音がした
「智くん、おかえり」
「ん、ただいましょーくん」

ほんのりお酒の匂いが漂ってきたけど、俺は何も
言わない。
だって俺も、彼女の事は言ってないから。
「しょーくん、一緒に寝ようか、」
ほんのり笑って言う智くんに、俺は小さく頷いた
「んふふ、今日は素直だね?」
「た、たまにはいいでしょ、!」
俺より身長は小さいのに、俺より力強くて、
体もしっかりしてて、また一つ、キュンてした
「ほらしょーくん、隣きて、」
少し離れた所に寝転がった俺の手を引いて、
すっぽりと智くんの胸の内に収まる俺

智くんの寝顔を見て、幸せな気分になる。
俺は智くんが好き。それはもう溢れ落ちるくらい
好きすぎておかしくなりそうだよ。
でもね、俺はそれじゃ満足できない。
「……智くん、ごめんね」
口ばかりの謝罪に、自分でため息をついて
再び目を閉じる。
時刻はもうすでに丑三つ時を過ぎている。
さて、俺もちゃんと寝ようと思い、目を閉じる
瞼の奥に映る、智くんの笑顔と、彼女の顔
息がしずらい。

智くん、ごめんね。
この言葉が示すのはどれなんだろうか。
何回も、心の中で言うけど全く予想がつかない。
智くんに捨てられたくない。
彼女の事バレたら、捨てられるのかな。
「智くん…、」
ごめんね。という言葉は、呑み込んだ。






.
/ 135ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp