第10章 鉛色の空〈M→S〉
~J.
翔さんとご飯に行き始めてさらに一週間。
そんな進展もなければ、嫌な事もない、平和な
日が続いた。
「最近、お二人さん食事の頻度高くない?」
ソファの上でゲームしてるニノがニヤニヤと
言いながら笑う
「そう?前までがあれだよ、ね、潤」
それに、笑いながら答える翔さん。いきなり俺に
ふられ、戸惑うと、
「ニノ達もごめんな、心配かけて」
そう、静かに続けた。
「いやいや、大丈夫ですよ、」
「でもよかったよー!また二人が話してて」
ニノの隣にすわった相葉くんが言う
「翔さん、潤くんには甘いもんね〜」
目線は画面のまま言うニノに、体が揺れるのがわかった
翔さんが、?俺に甘い…?
「いやニノ、そんな事ないでしょ、」
ちらりと翔さんをみながら否定の言葉をいえば
ニノはため息をつき、
「わかってないね〜、ね!翔さん」
と、言った
「まじで?俺そんな?」
笑いながら言う翔さんに、どきりと胸がなる
「そんな、ですよ、ね。相葉さん」
「そうだね!確かに甘いね、しょーちゃん」
「あ〜、何か、弟みたいな存在だからかな、」
相葉くんに笑って言う翔さん。
目の前がぐらりと、揺らいだのがわかった。
ほら、最近ずっとご飯行ってるから、気づかなかった
けど、翔さんが俺に付き合ってくれたのは
俺が弟みたいな存在だったから?
やっぱり、この恋心は、言葉に出しちゃだめだ。
「……ん、…じゅん、、潤?」
「……、ぇ?」
いつの間にか目の前に居た翔さんに目を見開く
「潤、どうかした?さっきから…呼んでるんだけど、」
「ごめ、考え事してた、」
そう言って笑い、目を伏せる
わかってた。こんな簡単なこと。
この恋は叶わない、なんてわかっていた。
「潤くん、大丈夫?」
翔さんの奥にいたニノが、ソファに座った俺の
隣に座った
「ん〜…、何とか…」
「潤くんなら、大丈夫だよ。確信はできないけど、」
「ごめん、ニノ…ありがと」
寄りかかるニノに俺も、寄り掛かった。
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