第10章 鉛色の空〈M→S〉
~S.
久しぶりに、潤と食べたご飯は美味しかった。
仕事がある度、俺らの空気は殺伐とし、とても
じゃないけど、話しかけられなかった、
でも、昨日誘われて、俺は嬉しかった。
また昔みたいに、ギスギスするじゃないか、何て
不安も過ぎったけど、よかった、
「しょーちゃん!昨日は楽しかった?」
ソファで新聞を読んでいたら、隣に座る雅紀
「昨日、?あぁ…楽しかったよ」
素直にそう言い笑えば雅紀も、笑った
「心配かけて、ごめんな、」
「いやいやいや!平気平気!」
ね、ニノ!とそっちへ行ってしまった雅紀
「翔さん、よかったらまた行かない、?」
後ろから潤に声をかけられ、振り向けば
少し目を伏せながら聞いてきた、から
「潤さえよかったら、俺はいいよ」
また、昔みたいに潤に頼られてるって考えると
嬉しくて、つい頬が緩んだ。
「今度は、俺がお店予約するね」
昔とは違う、かっこいい笑顔で、笑った
あぁ、こう言う顔も、するんだ。
何て…いかに最近顔を合わせていなかったかを
知らしめられた。
「期待してる、」
そう短く返し、俺も笑った。
「えっ、期待するの、?参ったな…、」
「そりゃするでしょ、天下の松本潤だよ、?」
かっこよく笑ったと思ったら、ころころ表情
をかえる潤
子供の頃のあどけなさも残る顔で眉をさげた
「俺…そんなイメージ、?」
「あ、天然ってとこもある」
その俺の声に奥のソファで寝転がってた智くん
がくすくすと笑った
「まつずんたしかにね〜、天然だよね」
「ちょ、大野さんまで、てか言えてないし、」
呆れるような表情をする潤
「ほら、天然なんだって、」
「えぇ〜、まじか」
前までの殺伐とした空気が嘘みたいだ
「よかったですね、話せて」
いつの間にか近くに来たニノが笑う
「っ、びっくりしたぁ…、」
「ほんとね〜、前までは俺らが気使ってたもん」
「そこは、ごめん、」
雅紀の言葉に、潤と二人でハモって謝った。
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