第6章 第5章 初戦闘体験
しかし、半分も距離が詰まらないう
ちに、何も無い空間で頭をぶつけた。
「わたっ」
「あ、ごめん。防御璧張ったままだ」
桃花は防御璧を消すと紫乃と一緒に
零の元へ駆け出す。
「大丈夫? 大丈夫? 痣とかできてな
い?」
「女の子の身体を塚で殴るなんて最低
だよね。零、ちょっと見てもいい?」
紫乃はそう言うと、零の服の裾に手
を掛けて、捲った。
「!」
昴は零が怒ると思ったが、殴りもし
なければ蹴りもしない。
「あ~あ、やっぱり痣なってる」
「うわ、本当だ。夕に治してもらいな
よ」
「ん? おれの出番か」
夕は零の前に回ると痣になっている
ところを見ようとした。
が、零は夕に張り手を食らわせた。
「いてぇ! え、なんで紫乃はよくて
おれはだめなの!?」
頬を抑えながら、納得のいかない様
子で夕は抗議した。
「だって、夕くん男じゃん。そりゃ怒
られるよ」
「おまえも男だろ!?」
「でも、かわいいでしょ?」
「確かに。……じゃなくて!」