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イチイ

第6章 第5章 初戦闘体験


 ただ、内容がわからなかった。緊急
会議とは何だろうか。
 
 警戒態勢をしながら、桃花たちは仮
面の男たちを見ていた。
 
「あ~……なるほどなるほど。また見
つかったってわけか」
 
 少女はこくりと頷き、顔を昴のほう
へと向けた。
 
 目は隠れているが、何故が凝視され
ているような気がした。
 
 昴は少しでも視線から遠ざかろうと
桃花の後ろに回った。
 
 女の後ろに隠れるなんて情けないな
とは思うが、無視する。
 
 少女は暫くの間、昴を見つめ続け、
顔を逸らした。
 
「レティ、帰ろう」
 
「あぁ」
 
 仮面の男───レティと呼ばれた男
は少女を抱える。
 
 少女が出てきた時と同じように空間
が歪み、レティは最後にこちらを見て
歯を見せて笑った。
 
「またな」
 
 レティがそう言った瞬間、零は数本
のナイフを投擲した。
 
 正確な狙いで投げられたナイフは一
瞬遅かったらしく、何も無い空間を通
り過ぎるだけだった。
 
 零はちっと舌打ちをする。
 
「零、大丈夫っ?」
 
 紫乃が心配そうな顔で零の元へ駆け
寄ろうと、走り出した。
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