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イチイ

第6章 第5章 初戦闘体験


 上手く紫乃を受け止めた桃花が眉を
ハの字にする。
 
「ん……、大……丈夫」
 
 顔や腕、足に軽い火傷と擦り傷を負
った紫乃が掠れた声で応える。
 
「よかった……」
 
 桃花は紫乃を地面に降ろしながら、
はっとする。
 
「零は!?」
 
「零なら……」
 
 少しよろめいたが、自分の足で立っ
た紫乃が爆発地点へと目を向ける。
 
 激しい爆発で生じた土煙が時間をか
けて晴れていき、隠れていた零の姿が
見え始める。
 
「おい、紫乃大丈夫か? 零は……」
 
 駆けつけてきた夕に無言で紫乃は指
を指した。
 
 夕が視線を向けると、零がナイフを
片手に無傷で立っていた。
 
 煙や土で汚れてはいるが、外傷はな
い。
 
「すっごく、無事だよ」
 
 またどこかおかしい日本語を使って
紫乃は笑う。
 
「……あのナイフで爆発の衝撃を防い
だの……?」
 
「……有り得ねぇよ……」
 
「無傷なのが尚更有り得ない……」
 
「零だもん、有り得るよ。さすがだよ
ね。僕も零の近くにいたら、爆発の衝
撃で傷負わなかったのに」
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