第6章 第5章 初戦闘体験
桃花が振り返ったと同時に零に斬ら
れたクルーンの血と体内組織が桃花に
振りかかった。
「うえぇっ、ちょっと零! こっちに
かかってきたんだけど!」
桃花は血や体内組織を手の甲でごし
ごしと拭った。
手の甲についた汚れは服で取る。
「あ、昴くんは私の後ろにいてね。
何かあったら防御壁張るから」
「わかった……けど、俺は何もしなく
ていいのか?」
ただ後ろにいるというのもアレなの
で、昴は自分にも何か出来ることはな
いか訊く。
「しなくていいよ。役に立たないし。
寧ろ邪魔になるから、じっとしてて」
「……グサッときた……」
昴は胸の辺りを抑えて、軽く俯く。
「?」
桃花はきょとんとしたが、すぐに戦
闘体制に切り替えた。
「昴くんのこと、なるべく優先するけ
ど、勝手な行動しないでね?」
桃花は念押しをすると、倒れてピク
ピクと痙攣しているクルーンの頭を踏
み潰した。
桃花が踏み潰したクルーン以外にも
倒れているのがたくさんいた。
桃花はその中で息があるものだけを
踏み潰していく。
「あれ、夕? こいつまだ息あるよ。ち
ゃんと殺ったの?」