• テキストサイズ

イチイ

第6章 第5章 初戦闘体験


 軽くスマホを睨んで、階段を駆け足
で下りる。
 
 駅の外に出ると、昴は歓楽街エリア
を目指した。
 
 ここからなら走れば10分弱で着く
距離だ。
 
 避難命令が出されているのか、普段
は昼間も夜も騒がしいのに、静かだっ
た。
 
 四六時中ついているビルの灯りは全
て消されていて、このエリアごと眠っ
ているようだ。
 
 歓楽街エリアを起点として生活する
住人たちはどのエリア市民よりも警戒
心が強い。
 
 避難命令が出されているのにも関わ
らず外出するような人もいない。
 
「あ、そういや歓楽街エリアのどこら
辺か訊いてなかったな……」
 
 昴は足を止め、少しだけ呼吸を整え
て、スマホを取り出した。
 
 もう1度桃花に電話をかけて詳しい
場所を訊こうと思ったら南北の方角で
大きな音がした。
 
「手間が省けたな」
 
 昴はスマホをしまい、音のした方へ
走る。
 
 距離はさほど遠くなく、すぐに戦闘
中の桃花たちを見つけた。
 
「お~い」
 
 走る速度を緩めながら気の抜けた声
で昴は呼びかけた。
 
「あ、昴くん。遅かったね。
 
 ……わっ!」
/ 180ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp