第2章 第1章 戦闘員出動
「みんなもいるってことは、クルーン
かな。それ以外で僕らに集合がかかる
とは思えないし」
紫乃がそう言ったと同時に、左横壁
が開き、少女が出てきた。
「お、みんな感心感心、ちゃんといる
ね。えらいえらい」
小馬鹿にしたような口調で言いなが
ら、少女はよにんの前に立った。
鶯色のベリーロングヘア、それをツ
ーサイドアップにしている。
不揃いな長さの前髪は右目を完全に
隠し、左目は半分だけ隠していた。
頭のてっぺんで長いアホ毛が生きて
きるかのように揺れている。
ゲリエ学園理事長、リーシア・グデ
ィフィス、弱冠14歳。この学園に1
0年在学している。
「……呼び出し、やっぱりクラス別放
送だったんですね、手間かかりません
でした?」
「全然。普段の仕事よりマシ。沙耶が
いなかったらとうの昔にボクは逃亡し
てる。書き置きはしない」
あながち冗談でもなさそうな顔と口
調だ。零を除くさんにんが苦笑する。
「まぁ、いいや。本題にはいるね。い
っかいしか言わないから」
リーシアがパチンと指を鳴らすと、
よにんの前にデジタル画面が映し出さ
れる。
「画面見てね、今日のクルーンは商店
街エリアに出没するみたい」
リーシアは街中に対クルーン察知魔
法装置を仕掛けている。その装置が商
店街エリアで警告を上げたようだ。