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イチイ

第2章 第1章 戦闘員出動


 少女はそこで言葉を止め、目を細め
る。そうして、提案した。
 
「力を貸そう。代わりに魔力持ちたち
に人権を与えてほしい。明確には彼ら
が君らのような普通の人間と同じよう
な生活をおくれる保障を」
 
 
 桃花と夕は0と書かれた立て札があ
る扉の前に着くと扉を開ける。
 
 桃花が入ってから夕が入り、扉を閉
めた。
 
「あっ、零……。もう来てたの?」
 
 桃花が軽く驚いたように目を丸くし、
ひとりの生徒の元へ行く。
 
 壁に寄りかかっていた、零と呼ばれ
た生徒は棒つき飴を咥えたまま視線だ
けを桃花に寄越す。
 
 雪のように白い肌に同じように白い
セミロング、それを三つ編みにしてい
る。眼はつり目がちの菫色。少し目つ
きが悪い。
 
「そっちのクラスにも放送あったんだ。
じゃあ、やっぱり部隊の呼び出し?
あれ、でも、紫乃ちゃんがいない……?
もしかして違うのかな?」
 
 桃花が首を傾げ、辺りを見渡したと
き、扉が開いた。
 
「ごめん、遅れちゃったぁ。みんなも
ういる?」
 
 半開きにした扉から顔だけを出して、
ボブカットの菫色の髪をした生徒が言
う。
 
「紫乃、遅かったな」
 
「やっぱり、部隊からのだ。やだなぁ」
 
 紫乃は扉を閉め、桃花たちのところ
へ駆け寄る。
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