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イチイ

第5章 第4章 歓迎会


 夕の隣を歩きながら、桃花は眼だけ
で見上げてくる。
 
 夕は少し考え、頷いた。
 
「確かに……。気持ち悪いな」
 
「気持ち悪いって酷い! そこは距離
ができてるようで寂しいな、とかじゃ
ないの!?」
 
 怒ったように桃花は両拳を何度も上
下に振る。
 
 昴はおかしくて、口元を抑えて肩を
震わす。
 
「昴くん、何笑ってんの!?」
 
「わ、笑って……ないぞ?」
 
「声震えてるじゃん! も~!」
 
 桃花は軽く怒りながら昴の背中を拳
で殴った。
 
「あはは、痛くねぇ」
 
「手加減したからね!」
 
「おーい、じゃれてないで早く行こう
よ!」
 
 数十メートル先にいる紫乃が呼びか
けてくる。
 
 桃花たちは返事をして、紫乃たちの
元へ走った。
 
「早く行かないと時間が無くなっちゃ
うから」
 
「時間まだまだあると思うけど……」
 
「お菓子なくなった」
 
「お前、いつも大量に持ってるのに珍
しいな。飴持ってるからやるよ」
 
「ゲームとかしたいね!」
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