第5章 第4章 歓迎会
「拷問ですよ」
桃花が黙ってしまった紫乃の代わり
に答える。
「社咲は地下懲罰房でクルーンに寝返
った裏切り者や、捕獲されたクルーン
の拷問を担当しているんです。
拷問をする理由としては、対象者か
ら情報を取り出すことです。
なので、その人が素直に言えば拷問
はされません。
ですが、クルーンの場合は口が堅い
者が多くて……社咲はよく喜んでいま
す。……気持ち悪い」
最後に桃花は本音を吐き捨てる。
拷問という物騒な担当に昴は息を呑
んだか、そういう担当の者がいても可
笑しくはないだろう。
昔からこういう闘うことを主目的と
している組織には必ずいるものだ。
「とりあえず、社咲にはできる限り近
づかないほうがいいですよ。
まぁ、言われただけじゃ実感湧かな
いと思うので、機会があったら拷問に
立ち会ってみてもいいと思います。
おすすめはしませんが」
桃花の顔と声には翼に対する嫌
悪感が現れている。
昴は不愉快な表情をしている紫乃と
桃花を交互に見る。
ふたりの口調や表情から察するに、
その社咲翼とやらは戦闘部隊内での嫌
われ者らしい。
いや、もしかしたらふたりだけが翼
を嫌ってる可能性もあるので、確定は
されない。