第5章 第4章 歓迎会
「お菓子」
三人三様の言葉に昴は納得する。
確かに、生活費というものは必要だ
し、見ず知らずの赤の他人のためにタ
ダで命をかけるのも馬鹿らしい。
それに、50万もあればお菓子も買
い放題だ。
「ところで翼くんって誰ですか?」
尋ねてから、両隣にいるふたりが不
快な顔をしていることに気づいた。
「翼くんっていうのは社咲翼っていう
戦闘部員のひとりだよ。
紫乃くんと同い歳の同じヒナゲシク
ラス」
「じゃあ、紫乃はその翼ってやつと仲」
「よくない!」
仲いいのかと訊こうとした昴の言葉
を紫乃が遮る。
「社咲なんかただの同じ所属部隊の同
級生だよ。戦闘部隊仲間じゃなかった
ら一生話すこともない。
ていうか、今だってたいして話さな
いよ。話しかけたくもない」
「……嫌いなのかそいつのこと」
刺々しい紫乃の声と顔に昴は恐る恐
る訊く。
「嫌い……というより苦手。不気味っ
ていうか……。
担当分野のせいもあるけど、性格が
合わない。仲良くはしたいけど、体が
拒否してる感じ」
「あってみない限りはよくわからんが
いったい、何の担当なんだ?」